2011年度から2017年度までに国民生活センターに寄せられた「アダルトサイトトラブル」の相談を性別、年代別に分析したところ、いちばん多かったのは60才以上の男性で全体の2割弱だったが、20才未満の男性も全体の1割で、30代男性よりも多かった。これは、スマホやパソコンに慣れていない若者が、「契約成立。○日までに支払ってください」という言葉に踊らされたり、有料ページに誘導されてしまうケースが多いからとも考えられる。
取り消すには電話連絡をするように求められるケースもあるが、むやみに電話をせず、まずは落ち着いて、電話番号や会社名が怪しいかどうかを確認すること。電話番号検索サイトで調べたり、会社名で架空請求業者一覧などを調べるといい。それでも不安な場合は、消費生活センターや国民生活センターに相談するのもいいだろう。
2位の「偽物販サイト」には、偽物を販売しているものと、お金だけをだまし取るものがある。
「ネット上で販売されているものすべてに、偽物販サイトが存在する可能性があります。半額以下で販売されているとうさんくさく感じられるので、定価の2~3割引き程度の価格設定で販売されていることも多く、一見しただけでは詐欺かどうかわかりにくいのが特徴です。商品購入の手続きをする際に住所や電話番号、クレジットカード情報などの個人情報を入力するため、これらの情報も売られてしまう可能性があります」
フィッシング詐欺サイトの主な手口
3位の「フィッシング詐欺サイト」は、IDやパスワード、クレジットカード情報を盗むことを目的にしたサイトで、その主な手口は次の通り。
【1】クレジットカード会社などを装ったメールを送る
メールのタイトルは、「本人情報緊急確認」「お支払方法変更のご案内」「【最終通告】○○からの緊急の連絡」など、もっともらしいものが多く、差出人名のところに記される会社名やアドレスなどは正規のものと同様に偽装されており、判断しにくい。
【2】メール内のリンクをクリックするよう求める
リンク先として記されているアドレスと、実際のリンク先のアドレスが異なり、詐欺サイトに誘導される。
【3】個人情報の入力を求める
入力した情報が盗み取られる。「個人情報だけでなく、マルウエアなどが仕込まれ、パソコン内の情報をすべて盗まれる場合もあります」。
マルウエアとは、ウイルスやワーム、トロイの木馬、スパイウエアなどの悪意のあるプログラムやソフトウエアのことで、感染すると個人情報を抜き取られたり、情報が流出したり、パソコン操作が不可能になってしまうなどの被害が考えられる。