【実例3】仕事には行くが引きこもりになった夫(38才・会社員女性)
1年前から家庭内別居をしています。夫(43才)の方から私たちと距離を置くようになりました。とはいえ、10年前に結婚してから、私も夫には不満しかなかったので、いまの状況も悪くはありません。
まぁ、不満といっても、借金があったり不倫をされたり、ということではなく、使ったコップをリビングに置きっぱなしにされたり、下着とズボンを同時に脱いで、そのまま放置されるなど、些細なことではありますが……。でも、何度注意しても直してくれないんです。息子(5才)のしつけへの影響もありますし、生活ルールの違いをすり合わせられないのは、地味にストレスがたまるんですよね。
私が注意するたびに、夫は私を無視してバンと大きな音を立ててドアを閉めたり、ふらっと出て行ったり……。とにかく私のお小言からは徹底的に“逃げる”という態度を取ってきたので、この家庭内別居もその延長だと思っています。
別居が始まった日のことはよく覚えています。夫が出張から帰り、キャリーケースのキャスターを拭かずに家に上げたため、腹が立った私は夫に時間をつくってもらい、夫の改善点について具体的に指摘したんです。当時は、コロナ禍で皆がウイルスを家に持ち込まないように注意していたとき。幼い子供がいるとは思えない、夫のズボラな行動が許せませんでした。すると話の途中で、
「もういいよ、わかった」と夫は突然、荷物をまとめ始めて、2階の物置に閉じこもったんです。私や息子が話しかけても無視。食事時になっても下りてこないので、仕方なく扉の前に運ぶことにしました。私がいなくなると食事を部屋に入れて食べ、終わると廊下に食器が出ています。この生活がそのままいまも続いています。
朝は私たちが起きる前に会社に出かけているようです。朝食と昼食は外食なのでしょう。夕方帰ってきても、最近は気づかないことが多いですね。休日も家にいるのかいないのか……。ひっそりと生活してくれています。
共働きですが、生活費は共通口座に入れてくれるので、特に不便を感じません。いつかは何とかしたいと思うのですが、快適でやめられません。
【アドバイス】生活ルールの違いは些細なことではない
「生活ルールは育った環境で違い、夫婦で合わせるのは大変。些細なことかもしれませんが、長く一緒に過ごす夫婦には大きな問題に。互いに受け入れられないなら生活空間を分けるのは手」(夫婦関係コンサルタント・川崎貴子さん)