自民党内でもくすぶる岸田内閣の経済政策への不安
実際、6月10~3日に実施された時事通信社のアンケートでは、物価高への政府の対応に対しては、国民の54.1%が、「評価しない」と答えている。明治大学教授で経済学者の飯田泰之さんは、いまのインフレは、これまでのインフレとは違うと語る。
「市場価格が全体的に高騰しているのではなく、エネルギー関連と小麦を中心とした食品の物価だけが上昇しています。小麦は、政府が一括して輸入品を買い上げて価格を決めているので、その気になれば値段を下げるのはそれほど難しくないはず。
エネルギー問題も、原発を再稼働すればある程度は解決すると思われます。岸田首相は“ハト寄り”だからこそ、“タカっぽい”政策を打ち出しやすいので、安倍政権ではできなかった原発再稼働に踏み切る可能性は高いとみています」
その一方で、自民党内でも、岸田内閣の経済政策に不安がくすぶっているという。ジャーナリストの田原総一朗さんが説明する。
「多くの自民党国会議員が“いまのままでは、充分な経済政策ができないのではないか”と不安を持っています。金利を上げるのがもっとも手っ取り早く、効果的です。しかし、金利を上げると国債の価値が下がるなどの理由で日本経済が破綻してしまう」
現在、政府は約1000兆円もの債務を抱えている。現在はマイナス金利だが、もしこれが米国並みの2%に上昇したら、政府の利払い費は20兆円に跳ね上がる。そのため、金利を上げることはおろか「金利を上げます」と言葉にすることすらできないのが実情なのだろう。
※女性セブン2022年7月7・14日号