第二に、構造変化が進展している。実質成長率について、産業別にみると、1-9月期における第1次産業の成長率は3.5%、第2次産業が6.1%、第3次産業が7.6%である。第3次産業の方が第1次産業、第2次産業よりも成長率が高い。また、第3次産業のGDP比率は52.8%に達しており、前年同期と比べ、1.6ポイント上昇している。構造的に経済の高度化、サービス化が進んでいることがわかる。
1-9月期のハイテク製造業、装備(機械、生産設備、航空機など)製造業の生産はそれぞれ10.6%増、9.1%増であり、鉱工業生産全体の6.0%増を超えている。また、これらの全体に占める割合は12.2%、32.6%であり、前年同期と比べ、0.6ポイント、1.2ポイント高まっている。消費面では、ネットショッピング(実物商品)販売額は25.1%増であり、全体の10.4%増を大きく超えている。また、小売売上高全体の11.7%に達している。生産面、消費面で、構造が大きく変わりつつある。
第三に、雇用、収入が堅調である。1-9月期の都市部新規就業者数は1067万人であった。全人代で決めた年間の目標は1000万人以上である。3か月を残し目標を達成してしまうほど雇用創出はうまくいっている。また、9月の31大都市圏失業率は5%を下回っている。これは2013年6月以来の低さである。
1-9月期の1人当たり平均可処分所得は都市住民では7.8%増、農村住民では8.4%増である。格差は2.82倍で、わずかではあるが、縮小傾向にある。雇用、収入の安定が社会の安定につながっている。