2020年の東京五輪後は不動産価格が“大暴落する”との声もあるが、前出の長嶋氏は「そもそも五輪効果は過大評価」と指摘する。
「東京五輪のための開発は競技場など関連施設中心で、“住みよい街づくり”とは関係しません。現在、高騰している湾岸エリアのマンションのブランド価値が低下することはあるでしょうが、それ以外の地域はそれほど影響を受けないはず」
不動産の上昇で1990年代のバブルを思い出し、投資に二の足を踏む人も多いだろう。だが、前出の高橋氏は、「いまはまだ、バブルとは言い切れない」と指摘する。
「当時は都心だけでなく、“こんなところまで”というような物件も売れたが、いまは“選ばれた場所”しか価格が上がらない。まだ日本の不動産は諸外国より割安で、バブルではないという声も根強い。東京でも地方でも、投資に適した穴場のエリアや物件がまだ残っている」
不動産投資の視界は、まだ良好のようだ。
※週刊ポスト2016年11月4日号