「お金持ちほどケチ」といわれる通り、資産を築いてきた人は皆、正しい節約の仕方を知っている。“億り人”になるのは、正しい節約術を知っておく必要があるのだ。
億万長者は「ボーナス払い」を避けるのだという。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんが言う。
「ボーナスは企業の業績に対して支給されるので、ゼロになる可能性もある。それを住宅ローンなどの固定費や日々の生活費の補填に充てているということは、業績の悪化などでボーナスが出なくなったら、支払いができなくなるということ。
ボーナスを使うなら、旅行や欲しかったものを買う方がいい。ボーナスを使っての旅行やちょっとしたぜいたくは、しなくても困りませんし、赤字にもなりません。ボーナスがなくなったら、がまんすればいいだけのこと」(藤川さん)
もちろん、最善はボーナスを貯蓄や投資に回すこと。年2回、その業種の平均額が支給されるとすると、ボーナスに手をつけずに貯蓄していれば、単純計算で、わずか4年で年収と同額のお金を貯めることができる。
お金に手をつけないようにするには、やはり目の前から隠してしまうのがいちばんだ。神奈川県の主婦・吉田恵子さん(72才・仮名)が言う。
「結婚当初から、夫婦で“天引き貯蓄”をしています。あらかじめ予算を決めておき、それ以外のお金は証券口座に移し、ムダな出費を避けています。貯まったお金を運用し続けていたら、複利で少しずつ増えていき、もうすぐ1億円に届きます」
天引き貯蓄には、iDeCo(個人型確定拠出年金)も有効だ。毎月一定額を積み立てて運用していき、原則60才以降でなければ受け取ることができない。初めは不便に感じるかもしれないが、引き出せないということは、強制的に貯まるということ。ムダ遣いが多い人ほど、自分でお金を隠してしまえばいい。