EVモデルが持つネガティブ要因を克服
充電という面倒はあっても、軽EVを選択する理由はどこにあるのでしょうか。走行中にCO2を排出しないという、環境面を考えてという人たちもいます。ところが実際に試乗した人たちの声を聞くと「軽自動車とは思えないほど静かでスムーズで、そして力強い走りが、魅力」という人がかなりいました。
実際に走り出してみると初速からとても力強く、しかしスムーズに静かに加速していくのです。その高い静粛性とスムーズさ、そしてパワフルさは荷物や人を満載して走る時の、軽自動車特有の賑やかさとは無縁の静かさなのです。660ccのガソリンエンジンではあり得ないほどの上質な走り。多分、この走りを経験しただけで「買おう!」という人もいるはずです。
軽自動車の最高出力には自主規制があり、最高でも64馬力(47kW)となっています。ところが最大トルクには規制がないため、2000ccのガソリンエンジン車並の195Nmという最大トルクを与えることができました。このトルクがあれば、バッテリーを搭載することによって増大した1080kg(ガソリン車は約800kg)車重であっても、軽々と走らせることができるのです。実際にこのトルクがあれば坂道でもグイグイと上っていきます。
音はモーターですから静かで、キャビンの広さはガソリンモデルとほとんど同じと、なんとも快適な居住性を実現することになったわけです。実はこの軽EVのベースとなったガソリンモデルを開発する段階からEVプランを考慮しての開発でした。「EVのバッテリーを積むために床が高くなりました」ということもなかったのです。これによってEVモデルが持つネガティブな要因はかなり克服できました。