2時間の映画も見られないのだから…
印刷会社に勤務する20代男性・Cさんは、学生スポーツやプロスポーツの試合などのチケットを購入し、会場に足を運んでいた時期もあった。それなのに、今は中継を少し見る程度で満足しているという。
「大学時代は、自分が通う学校の応援のために、野球とラグビーは会場で観戦していました。社会人になってすぐの頃は、職場の同僚と野球やサッカーなんかを見に行っていました。でも、やっぱり愛校心とか、知り合いが出ているわけではない試合は、途中で帰ることも多かったです。
サッカーの試合時間は90分、野球も現地観戦なら3時間くらい拘束されるじゃないですか。サッカーは50分くらい、野球は5~6回で帰りたくなる。試合途中でも、スマホで漫画を読んでいたり、アニメを見ていたりしたことがあります。テレビでやっているスポーツ中継の2時間というのもツラいですね。映画館で観る2時間の映画がキツいことを考えると、もう何時間も同じ姿勢で、一つのものを見続けられない身体になっているんでしょうか……。
もちろん、現地での観戦は、会場ならではの雰囲気や臨場感、ビールのおいしさなど、イベントとしての魅力があるのはわかります。だからそれを楽しみに行くのはいいと思うのですが、それなら別にスポーツじゃなくてもいいかな、と。今は、家でながら見というか、中継をやっていれば、時々見ますよ。お正月の駅伝とか、ちょくちょく順位を確認します。でもそれも、ずっとは見ていませんね」(Cさん)
リアルタイムのスポーツ観戦なら、選手と同じ時間を一緒に過ごすことで、そこでしか味わえない興奮や一体感を得ることができる。その一方で、コンテンツがあふれる今、時間や金銭に対するコストパフォーマンスという観点から、離れてしまう若い世代もいるのかもしれない。