日本で果物は“高級品”か
「値段が高い」というのは、都内在住でメーカーに勤務する20代女性・Bさんだ。果物好きだが、値上げラッシュの影響もあり、果物は「どうしても優先順位が低くなる」と嘆く。
「いつも行くスーパーはキウイが1個100円、バナナが1袋100円で、値段が手頃だし、食べるのも手軽なのでよく買います。でも、国産の果物、例えば梨は1パックで約600円、桃の大玉も約800円、種無し巨峰が1パック約900円ぐらい。旬の果物は手が届きません」(Bさん)
Bさんは、学生時代にタイ留学した時は「果物天国だった」と振り返る。
「日本とタイとでは、物価も気候も違うので一概に比較できませんが、それでもタイの果物は本当に安かった。100円あれば、ほとんどの果物はキロ単位で買えました。屋台でカットしてくれるので、そのままテイクアウトでよく食べ歩きをしていました。それを考えると、日本では果物は“高級品”ですね」(Bさん)
地元で食べた味と違ってがっかり
上京してから食べなくなったという人もいる。IT企業に勤務する30代男性・Cさんは、青森県出身。そもそも果物を“買う習慣”がなかったという。
「親戚が農家だったこともあり、りんごは段ボールで“もらうもの”でした。東京に来たら、りんごはもちろん、いろいろな果物の値段の高さにびっくりしたのと、きれいに磨かれ、パッケージされている姿が新鮮でした。値段の高さは、輸送費分が大きいのかなと思いますが、美味しさが同じかといえば、やっぱり、地元のほうが美味しいです。どうしても鮮度は失われるわけですからね。一度東京でりんごを買ってみて、味にがっかりして以来、買わなくなりました。
おいしい果物を食べたければ、ネットで産地のお店から買えばいいと思うんですけど、そもそも果物を買うという習慣があまりなくて……。子供の頃は、近所の人とか、親戚とか、誰かしらが常に梨やさくらんぼ、ぶどうといった果物をくれていた気がします。果物は好きですが、東京でわざわざ買う理由があまりなくて、自分で買うことはめったにありません。最近食べた果物は、居酒屋の生搾りグレープフルーツサワーですかね。食べたって言っていいのかどうかわかりませんが」(Cさん)