【CASE1】エアドロ痴漢
埼玉県の会社員・Yさん(35才)が、電車内でメールを確認するため、スマホを開いたところ、iPhone画面に突然、「○○さんが1枚の写真を共有しようとしています」という通知とともに、わいせつ画像が表れた。公共の場でわいせつ画像が表示され焦ったYさんは、次の停車駅ですぐに電車を降りた。一体何が起こったのか──。
「これは、iPhoneに搭載されている『AirDrop』機能を使った、通称“エアドロ痴漢”です」(防犯アドバイザー・京師美佳さん)
「AirDrop」とは自分のスマホから9m以内にあるiPhone端末と画像を共有できる機能だ。
「これを悪用し、無差別にわいせつ画像を送る行為で、都道府県の迷惑防止条例違反などに該当します」(京師さん)
対策はiPhone端末の【設定】→【一般】→【AirDrop】→【受信しない】にチェックを入れるだけでOK。名前も本名を入れると相手にバレるので、【設定】→【一般】→【情報】→【名前】で変更を。
【CASE2】SMSを用いたフィッシング詐欺
大阪府の主婦・Kさん(63才)のスマホに、一通のショートメール(以下・SMS)が届いた。宅配便のヤマト運輸からの不在通知だ。
「お客さま宛てにお荷物のお届けに上がりましたが、不在のため持ち帰りました。下記よりご確認ください」
といった内容でURLが記載されていた。身に覚えはなかったが、(家族の誰かの荷物かな?)と思い、URLをクリックすると、再配達の手続きをするためという理由で、住所や氏名などの個人情報の入力を促された。案内に従い入力するとその後、KさんのSMSに、覚えのない買い物の請求書が届くようになった。個人情報を盗まれたのだ。
「これは典型的なフィッシング詐欺の手口です」(犯罪評論家・佐々木成三さん・以下同)
フィッシング詐欺とは、銀行や宅配業者、通販業者などをかたってSMSやメールを送り、個人情報を盗む詐欺だ。
「SMSは、スマホの電話番号だけで送れるので、犯罪者は適当な番号や何かの原因で情報がもれた番号に送りまくるのです。それで偶然“釣れた”人をターゲットにします」
どう対策すればいいのか。
「まず、第一にSMSに業者から連絡が来た時点で疑うこと。業者はSMSにはあまり連絡してきません。ほかのサイトへ誘導したり電話をさせるものはまず詐欺です。もし、家族のものかもしれないと思ったら、必ず本人に確認すること。自分だけで判断しないことが大事です」