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1玉300万円!元エンジニアが「世界一甘い桃」で目指す“福島の桃の復権”

パティスリー ローブ(埼玉県戸田市本町5-12-33 プルミエール戸田公園1F-B)の「桃のショートケーキ(510円)」。古山氏の桃はショートケーキのクリームに負けない存在感がある

パティスリー ローブ(埼玉県戸田市本町5-12-33 プルミエール戸田公園1F-B)の「桃のショートケーキ(510円)」。古山氏の桃はショートケーキのクリームに負けない存在感がある

「とろもも」ブランドを一流シェフたちも支持

 古山氏が桃の品質管理に注力したきっかけのひとつは、ほかの果物への嫉妬心もあったという。

「夕張メロン」、マンゴーの「太陽のタマゴ」、ブドウの「ルビーロマン」などはどれもブランド化し、初物となれば高額の「ご祝儀相場」で競り落とされニュースとなる。しかし今まで、なぜか桃はご祝儀相場がつく対象に入らなかった。東京の高級果物店であっても1個3000円程度が最高値で、話題の盛り上がりに欠ける。そこで彼は自力でのブランディングに着手、甘味と旨味を高めた桃で勝負に出た。

 現在、古山氏は糖度15.5度以上の桃を「とろもも」のブランド名で展開する。糖度によっては1玉5万円、10万円する桃が売れに売れ、予約困難な人気レストランなど飲食業界でも重宝されている。桃のブランドは、見事確立された。

パティスリー ローブの「まるごと桃タルト(830~950円※桃のサイズによって価格は変動)」。カスタードクリーム入りの皮つき桃がタルトの上に。皮ごとでも食べやすい

パティスリー ローブの「まるごと桃タルト(830~950円※桃のサイズによって価格は変動)」。カスタードクリーム入りの皮つき桃がタルトの上に。皮ごとでも食べやすい

取材・文/山本真紀 撮影/古川章

※週刊ポスト2022年9月9日号

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