充電出力と充電時間は悩みのタネ
急速充電器にはいろいろなタイプがあり、充電出力も違います。一概には言えないのですが、コンビニや道の駅に見られる20kW~、高速道路のサービスエリアなどの30kW~、日産ディーラーの44~90kW、数はわずかですが100kW以上のものが混在しています。できることなら日産系ディーラーに設置されている44kW以上の急速充電器ならば理論上1時間に44kWh以上を充電可能です。1回の充電時間とされている30分なら、半分の22kWhほど。現在は充電量50%以上ありますから、30分で何とか70%以上に充電できます。
ここでちょっと気になったのはバッテリーの残量計が数字で表示されないこと。これだと漠然とした容量しか分からないので、できればここは1%刻みの数字が欲しいと感じました。
ガソリン車に慣れているとこんな計算をしなくとも、ただ2~3分の給油時間に満タンにするだけ、となるわけですが、ここがちょっと大変です。早くから充電インフラを整えてきて急速充電施設がある、日産のディーラーをまずはマップで探します。そしてこの時、現状の充電インフラはその店舗数から見て、日産のディーラー網に頼っていることを痛感します。
幸いにして松本日産にある90kWという国内ではまだ少ない急速充電器を見つけることができました。30分以内で適正量を充電完了です。
この急速充電に関して、輸入車メーカーでは100kW以上の独自の充電施設もあります。この事実によって「日本は遅れている」と言われることもあります。一方で、急速充電はバッテリーの劣化を早めます。日本のメーカーは「10年後も70%以上のバッテリーの能力を確保できるように」として出力を制限しているという話を聞いたことがあります。
実はこのbZ4X&ソルテラも、最近見られるようになった100kW以上の急速充電にも対応していて最大150kWまで可能となっています。今後100kW以上の急速充電施設が増え、30分で40kWhほど充電可能となれば、平均電費6km台で走ると途中の充電1回で240kmあまりの距離が稼げます。これならロングドライブにも十分に使える距離ではないでしょうか。
さりげなくbZ4X、アクティブにソルテラ
さて後半戦は長野自動車道と上信越自動車を中心にした約120kmの高速道路ルートです。ここで活躍したのは4WDのスバル・ソルテラです。FWDよりもスッと引き締まった印象でスポーティな走行感でした。こちらも20インチタイヤを装着した上位モデル「ET-HS」ですが、4WDモデルのみです。重量増などにより、一充電走行距離は487km(WLTCモード)になります。
少しワイルドな味つけの見た目はカッコいいと思うのですが、やはりロードノイズが少し気になります。このテストドライブでは乗車が叶わなかったので想像するしかないのですが、18インチのベーシックなタイヤなら、もっとしっとりとしたいい乗り味を試せたかもしれません。
先ほど説明したとおり、高速道路ではバッテリーの減りが早いBEVですが、軽井沢までの約120キロを50%ほどの容量を残したまま、難なくゴール。
総じてbZ4X&ソルテラ両車の印象は良好でした。仮に都市部を中心にしたライフスタイルならbZ4Xで、電費のいいFWDモデルを選べばさりげないBEV生活と過ごせます。
一方、アウトドア派、外遊び派という人たちにとっては4WDモデル、とくにアクティブなデザインのソルテラは、雰囲気もあっていいと思います。
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