反騰や反落を繰り返しながらも、日経平均株価は3万円を目指す展開が続いている。今後、さらなる上昇を予測する専門家も多いなか、どう動くのが正解なのか。投資のプロたちに話を聞いた。
証券アナリストの植木靖男氏は、いま投資するメリットについてこう語る。
「平成バブルの際は好景気が3年続いたので、今からだと来年、再来年でピークを迎える可能性もある。現在がバブルのスタート地点だとまだ気づいていない人が多いので、今のうちに株を買うメリットは大きいと考えます」
武者リサーチ代表の武者陵司氏によると、まず円安の進行で期待されるのが、一時は競争力を失った「製造業の復活」だという。
「ここ20年で日本の製造業はナンバーワンからオンリーワンへと舵を切った。どの国の企業も手がけない部品や新素材の開発に注力し、独創的な技術で再び世界に存在感を示している」(武者氏)
世界的な半導体不足が続くなか、武者氏は日の丸半導体に目を向ける。
「スマホやスーパーコンピュータに欠かせない『ロジックIC』という半導体を手がけるルネサスエレクトロニクスを筆頭に、半導体製造装置メーカーのアルバックも要注目。同社は半導体の製造工程で最先端の装置を実用化しており、中国などの旺盛な需要の恩恵をフルに受けています」
新たなビジネスモデルへの転換が成功した富士フイルムホールディングスも有望だという。
「かつての写真フィルムからエレクトロニクスや素材、医薬・化粧品といった各分野で世界トップシェアを持つほどの転換を見事に確立した成長企業の代表格」(武者氏)