「当時の代表的な中小型株は、東証2部に上場したばかりのファーストリテイリングの株です。野村の営業マンだった私は、ファーストリテイリングの株価が購入時の2~3倍になったところで顧客に利益確定売却を勧めました。ところが、その後も株価上昇は止まらず、最終的には何十倍もの株価になりました」(同前)
同じ時期には他にも、ヤフー、ニトリ、ドン・キホーテなど、「10倍株」となる中小型株が続出し、「デフレの勝ち組」と呼ばれた。豊富な投資経験を持つ竜沢氏は、「足元の相場と1997年が似ている」としたうえで、こう断言する。
「この先、再び大相場が来る可能性が高い。今は大化け銘柄を発掘する絶好のタイミングです」
「IT革命」から「AI革命」へ
1990年代後半と現在を結ぶカギはどこにあるのか。竜沢氏は「世界情勢」「米国の低金利」「テクノロジー」「キチン循環」という4つの視点から説明する。
【1】1997年は「LTCMショック」、現在は「ABCDショック」
最初に指摘したのが、経済に大きな影響を与える「世界情勢」の類似だ。1997年にタイを震源とするアジア通貨危機が発生し、アジア諸国が深刻な金融危機に陥った。ロシアの通貨・ルーブル暴落も続き、「ロシア危機」も発生した。