【4】プロだけが見る「キチン循環」も同じ
投資の世界には「在庫循環」と呼ばれる指標がある。これは企業の在庫の量の「増減」にはルーティンがあり、それによって景気が上向いたり、下向いたりすると定義している。その周期は「約40か月」。提唱者の名を取り、「キチン循環」とも呼ばれる。
「過去の経験から、在庫循環が復調局面に入ることが株式上昇のサインになっています。今回はいままさに在庫調整が終わって、株が上がる転換点を迎えようとしています。20年前も同じ状況でした」(同前)
竜沢氏は、これらの要素が絡み合い、1997年とよく似た「風景」を作っていると指摘する。これには、第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏も同調する。
「企業業績が堅調かつ低金利であることは1997年当時と似ています。現在は先進国を中心に金融緩和を行ない、ジャブジャブのお金が業績堅調な企業の株に流れやすくなっています」
竜沢氏は「今は絶好の投資機会と考えています」と力を込める。
※週刊ポスト2016年11月18日号