世界に分散投資と聞くと難しいように思えるが、やり方は簡単だ。
ネット証券など手数料が安い証券会社に証券口座を開き、インデックス・ファンドを選んで投資額を決めれば、あとは“ほったらかし”でもいい。
「毎月一定額を積み立てるようにしておけば、高値掴みが防げます。年間40万円までの運用益が非課税となる『つみたてNISA(少額投資非課税制度)』を利用して投資するのもよいでしょう」(馬渕氏)
つみたてNISA口座は一般的な証券口座とは別に1人1口座しか開設できない。取り扱う商品数は証券会社ごとに異なるが、大手ネット証券なら商品数も豊富だ。自分が投資したい商品を取り扱っているかどうかで判断してもいいだろう。
信託報酬「0.1%」の商品も
具体的にどんなインデックス・ファンドで運用するのがよいのか。馬渕氏はつみたてNISAの対象商品のなかから、次の2つを挙げる。
「米国の主要500社の株価指数に連動するSBI・V・S&P500インデックス・ファンドや米国の大型株から中小型株まで4000銘柄以上に幅広く分散する楽天・全米株式インデックス・ファンドは信託報酬も0.1%前後。投資リスクも低いでしょう」
戸松氏もつみたてNISAの対象商品のなかから、全米に加え、全世界の株式に分散投資する楽天・全世界株式インデックス・ファンドに注目する。
また、つみたてNISAの対象商品ではないが、海外ETF(上場投資信託)の購入も選択肢になるという。
「ファンドよりもETFのほうが総じて信託報酬が低いため、全世界の株式に丸ごと投資するバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(コード・VT)や米国株に幅広く分散するバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(コード・VTI)なども推奨されます。外国株式取引口座の開設が必要となりますが、手間もさほどかかりません」(戸松氏)
円安が進むなかでは、投資先の幅を広げることも視野に入れる必要がある。
※週刊ポスト2022年10月21日号