財務省HPで公表されている政府の負債や資産を示す財務書類(バランスシート)を見ると、2014年度末の日本政府の負債額は1172兆円とあり、確かに1000兆円を超えている。しかし負債に隠れて見逃されているものがある。約680兆円の「資産」だ。なぜかこの数字に目を向けられることは少ない。
680兆円はアメリカの資産(300兆円)の2倍以上にあたり、前年に比べても27兆円も増加している。1年に27兆円も資産を増やしている国が、なぜ財政破綻寸前なのだろうか。
負債総額から資産を引いた本当の負債(純負債)は、1172兆円の半分以下の492兆円ということになる。この額は日本のGDPを下回る。
2012年にアベノミクスが始まってから、円安の影響もあり政府資産は毎年10兆~30兆円増え続けている。加えて、税金を集める徴税権、通貨発行権、日銀保有の国債残高など財務書類に記されない要素を加味すれば、ギリシャのような財政破綻は考えられない。日本財政は健全であるということをもっと強調すべき状況なのだ。