都市伝説を扱うテレビ番組やYouTuberの影響
都内の別の私立大学に通う男性・Bさん(21歳)は「SDGsは洗脳です」と断言する。
「SDGsの原則に『誰一人取り残さない』という言葉がありますが、まさに世界的な大衆洗脳ですよね。“グリーンウォッシュ”とか“SDGsウォッシュ”という言葉もあるように、これが洗脳だって気づくべき。
大手企業の中にも、『プラスチックを使っていません、うちの企業はエコフレンドリーです』とアピールしているところがありますが、そうした企業も外国人労働者に劣悪な環境での労働を強いて、その力に依存しているのではないか。SDGsとか言いながら、世界中で紛争や戦争は続いていて、そこに巨額の富が投じられている。結局、SDGsって世界中の支配者層がさらに儲けるための仕組みでしかなくて、割を食うのは庶民たちですよ」(Bさん)
そう持論を述べるBさんだが、なぜそのような考えに至ったのか。きっかけは「都市伝説」系の番組や動画だという。
「そもそも都市伝説界隈では、世間でSDGsが注目され出す前から『SDGsの裏には闇の政府が関与してる』『その証拠に、フリーメイソンの目玉のマークが達成目標の中にサブリミナルで仕込まれている』という話があって。実際にテレビ番組でも過去に触れられていたことがありますし、都市伝説系YouTuberがたくさん動画をアップしています。
そういうものを見聞きするなかで、自分なりにこの動きはやっぱり変だ、と思うようになりました。社会の変化も『環境問題のためだ』と思考停止することなく、自分で考えて判断しようと思うようになりましたね」(Bさん)
Aさん、Bさん以外にも、複数の若者が「SDGsは怪しい」「宗教っぽい」と語っていた。そう考える背景には、「SDGsに取り組んだところで、今の自分の生活は変わらない」という前提と、「(自分ではない)特定の誰かが儲けているのではないか」という疑念が見え隠れしている。さらに、コロナ禍以降、マスメディアを通じて急速にSDGsの取り組みが広がったことで、一部の人々には全貌が掴めない「何か怪しい存在」として受け止められている。
SDGsは国連が主導する世界的な取り組みだが、それを草の根レベルまで浸透させるのは、まだまだ時間がかかりそうだ。(了)