2012年末に安倍政権が誕生してアベノミクスがスタートして以降、日経平均は8000円から一時2万円超へ上昇し、為替も1ドル=70円台から円安に進行し、一時120円超をつけた。しかし、もしトランプ大統領の意向を汲んで、アベノミクスが金融緩和を引き締めに転じるようなことがあれば、日本経済は2%の物価目標どころか再びデフレ時代に逆戻りしかねない。
「そうなると株式市場も為替市場も、アベノミクスが始まる前の、民主党政権末期の水準まで戻りかねません。再び1ドル=80円台、日経平均1万円割れに向かう可能性は十分あるでしょう」(同前)
日本株が下落すれば、投資家のみならず日本国民にとっても大きなダメージとなる。130兆円の年金資金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、2014年10月に運用方針を変更し、それまでの国債中心の運用から株式運用に資金をシフトさせており、株価下落で損失が大きくなれば、従来の年金制度自体が立ち行かなくなる可能性もあるからだ。
トランプ大統領の誕生は、日本経済にとって大きな試練となりそうだ。