姉弟そろって海外で爆稼ぎ
4年前から自動車整備工としてシドニーで働く丸山康太さん(33才・仮名)も「お金とゆとり」を手に入れたと語る。
「日本で無理な納期や複雑な要求をこなしていた身としては、こちらの時間的に余裕がもらえるシンプルな作業は本当に楽。ムリなく働いていたら、“仕事が丁寧”と褒められて指名が入るようになりました。日本で20万円弱だった給料は直近で122万円を超え、6倍になりました。
ちなみに姉もシドニー在住です。フリーの美容師ですが、日本にいたときは月15万円の給料が、いまは平均150万円近く稼いでいます。セレブなお客さんの自宅やパーティー会場に出張するといいお金になるみたい。
姉は日本に未練がありませんがぼくは日本食が恋しく、故郷に両親を残しているので、1000万円貯めたら一度帰ろうと思います」
毎月48万円貯金できる
超円安の恩恵を最も受けるのは、ワーキング・ホリデーを活用している人たちかもしれない。
ワーキング・ホリデーは、18~30才の人を対象に、当地で働いて滞在資金を補いながら休暇を楽しめる制度。日本が初めて協定を結んだ国がオーストラリアだ。
ayaさん(24才)はこの制度を利用し、今年9月からオーストラリアとニュージーランドのほぼ中間にあるノーフォーク島で働いている。
「中学生の夏休みにホームステイでオーストラリアを訪れ、海外に住みたい気持ちが強かった。情報収集していたとき、今年7月からオーストラリアの最低賃金が5.2%上がって時給21.38オーストラリア・ドル(約2010円)になることを知りました。日本の倍という事実に愕然として、“行けるうちに行って稼いでおかないと!”と慌てて準備を始めました」(ayaさん)
ワーキング・ホリデーで2年目のビザを申請するためには、政府が決めた一定の場所か職種で働く必要がある。
ayaさんが選んだのはホテルの清掃業だった。
「9時から16時までのフルタイム勤務で月給48万円。みんなのんびりゆっくり楽しく働いています。
日本のメーカーで商品開発をしていた頃は月給15万円、ボーナスなし。こっちに来て33万円も増えました。これからレストランのアルバイトも始めるので、ホテルの清掃代をまるまる貯金する予定です」(ayaさん)
ノーフォーク島は人口2200人の小さなコミュニティーだが、ayaさんを含めて6人の日本人が働く。男性1名、女性5名で全員20代だ。
「農業や漁業に比べてホスピタリティーは女性が働きやすい。清掃と飲食の仕事を掛け持ちする人も多く、みんな安定して月30万~40万円は稼いでいるはずです。日本では絶対ムリだけれど、こちらではお客さんが手をつけなかった食べ物をもらえるので食費が浮いて助かっています(笑い)」(ayaさん)