バフェット氏が台湾TSMCに積極的に投資
中国半導体産業は第12次五か年計画(2011~2015年)期間中、タブレット端末、太陽光パネルなどの分野から発展がはじまり、2015年に発表された「中国製造業2025」では半導体が重要産業として位置付けられている。
2021年12月には「“十四五”国家情報化規則」が発表されており、集積回路などの先端領域に関する戦略的研究の体制を整え、技術力を高め、イノベーションを進める方針が示されている。半導体産業は現在、中国政府が優先的に発展を推し進めるべき産業の一つである。
中国が発展を重視している産業に対して、米国はその発展を抑え込もうとしているわけだが、それは逆に、国家主導による中国半導体産業の強化を後押ししかねない。
ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは11月14日、米国証券取引委員会に資料を提出したが、それによれば同社は台湾TSMCの株式を9月末時点で時価総額ベースで41億ドル超所有していることが分かった。
TSMCは世界最大の半導体受託生産メーカーであり、米国だけでなく、中国本土にも多くの顧客を抱えている。国際的に需要見通しが悪化、米国による対中強硬策が打ち出され事業環境が不透明となる中でも、バフェット氏はTSMCに積極的な投資を行っている。
見方を変えれば、バフェット氏は半導体産業の将来性を楽観視しているのかもしれない。或いは足元の需要見通しの悪化は一時的、米国による中国半導体産業封じ込め政策は半導体産業全体の発展に対して大きな影響はないとみている、とも読み取れる。
グローバルで化石燃料自動車から新エネルギー自動車への代替が今後、急速に進むこと、或いは通信速度の高速化が生む出すモノのインターネット革命のインパクトについて、もう一度、評価し直す必要があるのではなかろうか。半導体産業の成長なくして、イノベーションは進まない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。