東京のとある公団住宅の一室。インターホンを押すも、呼び鈴が鳴らない! 「電力会社と契約していないので、鳴らないんですよ」と話すのは、この部屋の主のフジイチカコさん(62才)だ。電気が通っていないその部屋で、どうやって寒い冬をしのいでいるのか? 電気代が高騰するなかで、参考にしたい「電気代0円生活」をについて、お話をうかがった。
電気はエアロバイクを漕いで自家発電
東日本大震災(2011年)をきっかけに節電にハマり、2012年9月には電力会社との契約を解除したフジイチカコさん。それ以降、ベランダに設置したミニソーラーと、エアロバイクにモーターを付けた人力発電機を漕いで自家発電し、その電力をバッテリー(約3kWh)に蓄電して、電力の自給生活を送っている。
「ミニソーラーは天気に左右されるので、雨の日が続くと電力はひっ迫状態になります。そういうときエアロバイクを漕いで電力をためます。1分漕ぎ続ければ約1Wの電力が作れ、3分漕けば、3WのLEDライトを約1時間点灯できます」(フジイさん・以下同)
とはいえ、エアロバイクは5分も漕ぐと息が上がり、10分もたつと汗だくになるという。62才のフジイさんにはかなりの負担だ。なるべく自家発電をしなくてもいいよう、日々節電を心がけており、家電もあまり使わない。
現在家にある家電は、二槽式洗濯機、LED照明、充電式掃除機、ミシン、ミニラジオだけ。今年の夏は、酷暑に耐えかねて、車載用のミニ冷蔵庫を買ったそうだが、いまの時期は使用せずに置いているだけだという。