太陽光で水を温めて湯たんぽに活用
フジイさんの家には暖房機器がない。冬はどうやって暖をとっているのか?
「昔はエアコン、ホットカーペット、電気ストーブなどがありましたが、うちで発電している程度の電力で、これらの家電は使えないので、すべて処分しました。それだけ暖房機器は、電力の消費量が大きいんです」
防寒は基本的に厚着をして対処しているという。そして暮らしの工夫も欠かさない。
「私の出身地の北海道では、二重窓が当たり前でした。だからうちでも窓から熱を逃がさないように、キルトのカーテンと3層構造の窓フィルムを貼って、断熱しています」
暖かい空気は天井付近にたまるので、ソーラー充電式の小さい扇風機を上向きにセットして、暖かい空気が部屋中に回るようにもしている。
「空のペットボトルをマジックで黒く塗って、中に水を入れ、日中ベランダに転がしておくだけで、温水が作れます。それを食器洗いに使えば節電に。さらにその応用として、アルミのレジャーシートの上に水を入れた金属製湯たんぽを置いて、日中ベランダに置いておくと、40℃以上の湯ができます。それを布団にセットしておけば、寝るときもポカポカです。冬の日差しは結構強いんです」
人は電気代が0円でも生きていけるのだ。だからといって、フジイさんの生活をそのまま再現するのは難しいかも。真似をしやすい節電アイディアから、挑戦してみてはいかがだろうか。
【プロフィール】
フジイチカコさん/本職は染織作家。東日本大震災の計画停電を機に、2012年に電気代0円生活をスタート。2014年には第二種電気工事士の資格を取得。著書に『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』(KADOKAWA)。
取材・文/鳥居優美
※女性セブン2022年12月8日号