客に価格転嫁するのは勘弁してほしい
IT企業に勤務する30代男性・Bさんは、「レジ袋を値上げするお店の姿勢に不満がある」という。
「物価高騰でレジ袋が値上げされるのって、何か違うと思うんですよね。確かに、元は店側がレジ袋代を負担していたから無料だったわけですけど、ここぞとばかりに客に転嫁させたように感じられます」(Bさん)
経済産業省の資料によると、レジ袋はバイオマス素材の配合率が25%以上なら有料化の「対象外」となるが、Bさんは、そうしたバイオマスレジ袋を有料化している店もあることに気づいたという。
「レジ袋の有料化は本来、バイオマス素材の配合率が一定以上なら対象外だったはず。その条件を満たしているから、無料で配布が可能なのに、有料化しているところもあります。もちろん有料化する・しないは、店の判断だと思いますけど……。有料化したうえに値上げっていうのは、建前は環境配慮かもしれませんが、絶対何らかの経費を補填する意味合いがありますよね。最近は、薄くて破れやすくて、再利用もできない袋もあります。一体これのどこがエコなんでしょうか」(Bさん)
客から嫌味を言われる店員の溜め息
一方で現場はどうか。スーパーで働く20代女性・Cさんは、客のレジ袋に対する目が厳しくなったと嘆く。
「レジ袋の有料化以降、現場は混乱が続いています。私の経験だと、レジ袋を買い忘れたお客さんが、並ばないで横から入ってきて、セミセルフレジなのにお金だけ置いていっちゃたり、逆に『常連なんだよ、俺は。いつもいらないって言ってるだろ!』と怒鳴られたことも……。値上げしてから、『レジ袋まで値上げって便乗じゃないの?』と嫌味を言われることもあります。
有料化でレジ袋を辞退する人は増えたのは確かですが、その分まとめ買いする人も増えていて、発注してもすぐに売り切れることもあります。結局、レジ袋削減につながっているのかどうかは、正直わかりません」(Cさん)
1~2円程度の少額の値上げとはいえ、元が無料のものだっただけに、不満を募らせる人も少なくない様子。レジ袋有料から約2年半、あらためて環境配慮とはなにか、考え直すきっかけになっているのかもしれない。(了)