米12月CPIの発表以降、ドル円はすでに1ドル=130円を割り込んでいるが、サプライズ追加政策修正があれば、短期的には125円程度までは円高が進む余地があると想定しておくべきだろう。この場合、多くの企業の想定為替レートが130-135円程度に設定されている中、2月中旬にかけて本格化する10-12月期決算に対する警戒感から、輸出企業を中心に売り急ぐ動きが出る恐れがあるため、注意したい。
また、海外では米国と中国の12月小売売上高や鉱工業生産のほか、米1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米1月フィラデルフィア連銀景況指数などが発表される予定だ。前回の米11月小売売上高は予想を上回る落ち込みで景気後退懸念を強めた経緯があった。今回も市場予想では前月比でマイナスが予想されており、落ち込みが大きければ決算シーズンの本格化を前にリスク回避の動きが加速する可能性があろう。
ほか、今週も週半ばから週末にかけて複数のFRB高官がイベントなどで発言する機会がある。米CPIの発表以降、米金利が大きく低下していて、市場の年後半の利下げ期待も一段と高まっているが、金利低下・株高が続くようだと釘を刺すタカ派発言も想定され、これも相場の重石となる可能性がある。
個別では、景気指標の発表が多く、場合によってはソフトランディング(経済の軟着陸)への期待が剥落し、景気後退懸念が再び強まる可能性があるため、内需系のセクターが物色の中心となりそうだ。18日には12月訪日外国人旅客数が公表される予定のため、リオープン・インバウンド関連が再び脚光を浴びる可能性がある。銀行や保険は日銀金融政策決定会合までは期待感で上値追いが想定されるものの、実際の決定を受けてからは利益確定売りが広がる可能性もあるため、会合まで持ち越す場合は持ち高を一部にとどめた方がよいだろう。
今週は16日に12月企業物価指数、12月工作機械受注、世界経済フォーラム、17日に日銀金融政策決定会合(-18日)、中国12月鉱工業生産、中国12月小売売上高、米1月NY連銀製造業景気指数、18日に黒田日銀総裁会見、日銀の展望レポート公表、11月機械受注、12月訪日外客数、米12月生産者物価指数、米12月小売売上高、米12月鉱工業生産、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、19日に12月貿易収支、米12月住宅着工件数、米1月フィラデルフィア連銀景況指数、20日に12月全国消費者物価指数、米12月中古住宅販売件数、などが発表予定。