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生活保護申請時のポイント チェックされるのは身なりではなく「資産と労働力」

生活保護申請前にそろえるものは?

生活保護申請前にそろえるものは?

 全国で約202万人(約164万世帯)にのぼるという生活保護受給者。長引くコロナ禍に物価高による生活苦が追い打ちをかけ、申請件数も増加している。そんな中、注目を集める人物がいる。YouTubeショートのほかTikTokなどの動画SNSで知られる「生活保護おじさん」こと、佐々木大志郎さんだ。生活困窮者の支援を行う「つくろい東京ファンド」新規事業部長の佐々木さんに、生活保護の申請方法や準備について教えてもらった。

 生活保護の申請は、各地域の役所にある福祉事務所や生活福祉課などの部署で行う。申請書に指定の定型はなく、本来ならチラシの裏でも、口頭でも、受給したい意思さえ示すことができればいいのだが、よりスムーズに申請するためには、やはり書類があった方がいい。

 しかし、生活保護の申請書をすぐに手に取れる場所に置いている窓口は少ない。つくろい東京ファンドのウエブサイト「フミダン」などを利用して申請書をつくり、持参するのがいい。

「申請書に加えて、身分証、通帳などの口座残高がわかるもの、家賃額がわかる賃貸契約書などがあるとよりスムーズ。また、自分の来歴や就労状態をまとめておくと、窓口での説明が楽になります。もちろん、これらがなくても申請はできます」(佐々木さん・以下同)

 申請の際にチェックされるのは、身なりや態度ではない。「本当にいま、お金がないのか」「それはなぜなのか」「どれくらい困っているのか」といった、資産と労働力の状況を見て判断される。

「単身だと、きちんとひとり暮らしができる生活能力があるのか、持病や借金、犯罪歴はあるのか、といった事柄を確認されます。反社会的な団体に所属していると申請はできませんが、過去に所属していたことがある場合は『破門状』などで、現在はその組織とのつながりがないことを証明します。

 ギャンブルやアルコールへの依存症がある場合は、申請時に相談すれば、治療に向けて適切な医療機関や自助グループにつなげてもらえることも多くあります。言いたくないことは、無理に言う必要はありません。でも、嘘をつくことだけは避けてほしい」

 申請後に弁護士などに相談することで、借金がある場合も、受給しながら自己破産や債務整理を行える。手持ちのお金が最低生活費を超えていると申請はできないが、その後の収入の見込みがなく「ギリギリ超えている」といった程度なら、トイレットペーパーなどの生活必需品を買って、あえてお金を減らしてから申請するのも手だ。

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