申請時に第三者を同席させるメリット
窓口によっては、何かと理由をつけて追い返そうとする“水際作戦”に出くわす場面もいまだに少なくない。
「自分ひとりで申請する場合、日を改めて出直すことで別の担当者に当たるのを狙う“担当者ガチャ”も有効でないとは言い切れませんが、それよりも、水際作戦に遭ったらまずはその担当者の名前と日付、言い分を記録してください。発言に違和感があった場合“それは○○さん個人のご判断ですか? それとも、福祉事務所としての判断ですか?”と確認するとよいでしょう。
できれば、事前に私たちのような支援団体のスタッフに相談し、申請に立ち会ってもらう。難しい場合は友人でもかまわないので、第三者を同席させます。これにより、ある種“証人”を立てることができるので、違法な追い返しを防ぐことにつながります」
明らかなハラスメントがあると感じたら、メモや録音に残しておくのも1つの手だ。もし窓口で追い返されたら、弁護士や支援団体に相談を。団体によっては、生活保護の申請を手助けすると同時に、一時的な仮の住まいを提供してくれるところもある。だが、中には申請と同時に普通賃貸借契約をすすめてくる場合もあり、これには注意が必要だ。
「部屋や食事を提供してもらう代わりに高額な賃料を取られて、生活保護費のほとんどがなくなってしまうようなものもあります。生活保護の受給と同時に普通賃貸借契約を結ぶと、独立してアパートを借りたいときの費用が出ず、自立が難しくなってしまうのが問題です。
賃料のほか、定額払いの水道光熱費などが高すぎないか契約の前にしっかり確認してほしい。契約後に不当だと気づいた場合は、支援団体などに相談を。生活保護は“受けられるか、受けられないか”の二択ではありません。“生活保護を受けているのに、健康で文化的に暮らせない”こともある。“生活保護を受けて健康で文化的に暮らせるようになり、いずれ自立できるようになる”ために、準備できることがあるのです」
生活が苦しいと感じたら、あきらめず、焦らず、落ち着いて準備をしておくこと。支援を受ける権利は、誰にでもある。
※女性セブン2023年2月2日号