グローバルアセットアロケーションを行う機関投資家や、投機的な運用を行う海外のアクティブ投資家にとってドル高・円安は、ドルから見た日本株が割安になることを意味している。割安になった株が、業績面では上方修正期待が高まるのであれば、買いやすくなるのは当然であろう。
一方、香港ハンセン指数の動きを見ると、18日終値は22344.21で、9日終値と比べ0.3%下落している。日経平均とは対照的な値動きとなっているが、その最大の要因は、香港ドルが米ドルとペッグしているからであろう。
ドル実効レート上昇の背景には米ドル金利の上昇あるいは上昇見通しがある。そうであれば、香港ドルを売って相対的に魅力の高まったドルを買う動きが強まる。また、香港ドルと米ドルの需給を均衡させるために香港金融当局は、香港の金利を上げざるを得ない。それは当然株式市場にとって資金流出につながる。
この先、さらにドル高が進むのか。そうであれば、日本株の強気相場は続きそうである。一方、ドル安になれば、香港株が底打ち反転しそうである。
アメリカが財政支出を拡大し、インフラ投資を拡大すれば、長期金利は上昇し、ドル高傾向になるだろうが、そうなれば、貿易収支はさらに悪化し、貿易摩擦は激化する。トランプ政権がそれを放置するとは到底思えない。ドル実効レートがピークを打つのも案外早いかもしれない。
タイミングとしては12月13~14日に行われるアメリカFOMC(連邦公開市場委員会)が挙げられる。利上げがあったら達成感の醸成、なければサプライズとなり、ドル高に歯止めがかかるとみている。