投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月16日~1月20日の動きを振り返りつつ、1月23日~1月27日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で434.01円高(+1.66%)と続伸。週足のローソク足は下ヒゲの短い大きな陽線を形成し、短期的な底打ち感を示唆した。
日本銀行の金融政策決定会合を控える中、為替の動向に神経質な展開となり、日経平均は週明けに297.20円安となった一方、翌日には316.36円高となるなど一進一退となった。週半ばの18日、昼頃に日銀が政策の現状維持を決めたことが伝わると、目先の安心感から為替の円安が進む中、買い戻しが強まり、日経平均は652.44円高となった。
一方、19日は一転して385.89円安と大幅反落。一日も経たずして為替が再び大きく円高に振れたことや、米12月の小売売上高と鉱工業生産が揃って前月比で予想を上回る減速となったことで景気後退懸念が強まった。週末20日は148.30円と反発。為替の円高一服が安心感を誘ったほか、中国経済再開への期待を背景としたアジア株高が寄与した。
今週の東京株式市場はもみ合いか。日米主力企業の10-12月期決算発表が本格化していく。1月31日-2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)も前に全体的に手掛けづらさが意識される中、決算内容を精査した個別株物色が中心となり、指数としては方向感の定まらない展開が予想される。
米国の小売売上高や鉱工業生産などの経済指標の下振れに加えて、先んじて発表された米金融大手の決算では、貸倒引当金の積み増しが顕著に確認された。全体的に景気後退懸念が強まる中、今後の決算内容に対する警戒感は根強い。こうした中、今週は米国ではマイクロソフト、テスラなどが決算発表を予定。日本では日本電産<6594>や信越化<4063>、ディスコ<6146>、ファナック<6954>などが予定されいてる。
マイクロソフトは24日に10-12月期決算を発表予定だが、売上高は前年同期比で2%の増加と、四半期ベースとしては2017年度以来の低い伸びにとどまると予想されている。18日には1-3月期に1万人の雇用削減を行うとも発表しており、大型IT企業からも景気後退を懸念する動きが強く感じられる。テスラも、昨年10-12月期の出荷台数が市場予想を下回ったことや、競争環境の激化などを受けて、主要各国で相次いで値下げを実施するなどしており、年明け以降、事業環境の厳しさが伝わっている。