ぼったくりレストランについても、不満の声が高まったことで1月28日、北海市・市場監督管理局がこのレストランを即刻営業停止とし、一定期限内に改善させるとともに、後日処罰を決定すると発表している。
これらの2件の他にも、海南島三亜市海鮮レストランで起きた海産物の重量をごまかすなどして1万1609元(22万571円相当、子供も含むであろう13人分)を請求した件なども、ネット上で大きな物議を醸している。
監督管理の機能不全をSNSが補完
中国は社会主義国家であるが、ホテル、レストラン、旅行業界は自由主義国並みかそれ以上に市場の自由化が進んでいる。季節による需要の変化が大きいことがこれらの産業の一つの特徴だが、中国では需要の変化に合わせて価格が柔軟に変動する。
経営者は収益追求に対して極めて貪欲だ。短期的な利益追求に重点を置き、旅行客を一見客と割り切り、いわゆる“ぼったくり”の不正を働いたりすることは少なくない。こうした彼らの道徳観のなさを非難するのは簡単だが、自由競争は過当競争を生み出しており、変化に機敏に対応できなければ、彼らは容赦なく淘汰されてしまう。彼らも生きるのに必死なのだ。
こうした市場の歪みは本来、政府が調整すべきものだろうが、法律、ルールは用意できても、それらを順守しているかどうかについて、すべての業者を漏れなく監督管理するのは難しい。加えて、中央が厳しく監督管理しようとしても、実働部隊となる地方を隅々まで従わせるのは難しい。業者と行政の癒着、贈賄はなくならず、問題が大きくなった時点でようやくそれをただすといったような、モグラたたきのようなことを永遠に続けている。
中々解決策が見つからないのだが、こうした監督管理の機能不全を補完する一つの手段として最近、SNSが大きな役割を果たし始めている。消費者がSNSを通じて自己防衛力を強化することで自己の不利益を最小化させている。