宅建士は地域にかかわらず求人が豊富
2位の「宅地建物取引士」(宅建士)は、稼げる度ではFPを押さえてダントツ。不動産取引の専門家であることを示す国家資格で、宅建試験は毎年約20万人が受験するほど人気が高い。『日本の資格・検定』編集部の望月遼馬さんが言う。
「不動産取引を行う各事務所には、従業員5人につき1人以上の宅建士の設置が義務付けられているので、地域にかかわらず求人が豊富です。不動産企業に就職しなくても、スキマ時間に宅建士業務のアルバイトをしたり、リモートで資格取得用の家庭教師をすることもできる。いずれも時給が高額になりやすいのがメリットです」
資格ソムリエの林雄次さんによると、宅建士の標準的な勉強時間は300時間程度と国家資格のなかでは比較的取得しやすいという。しかし、合格率は約17%という狭き門。「取得容易度」はわずか2ポイントだった。
「それでも受験者が多い分、テキストや問題集、YouTubeの解説動画など独学の教材が充実しています」(望月さん)
しっかり稼ぎたい人にはチャレンジしてみる価値がありそうだ。3位の「日商簿記」は、日本商工会議所や各地の商工会議所が実施している簿記の技能に関する検定試験で、3級、2級、1級がある。
「2級以上なら経理部門などへの就職の間口が広がりますし、3級でも一定の評価が得られます」(風呂内さん)
FPの資格を持つ節約アドバイザーの丸山晴美さんが続ける。
「受験費用が安く、2級だと4720円。実務があればなおよしの資格で、事務職希望なら再就職にも役立ちます。『マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)』(6位)も持っていれば、さらにポイントが高くなるでしょう」