投資対象の中心は、アメリカなど海外で上場するETFだ。海外ETFは取引量が多いうえ、投資対象の種類も豊富で、緻密な分散投資が可能だ。保有中にかかるコストも安く、信託報酬が0.1%を切るものもある。
これらの海外ETFに日本の証券会社の外国株口座などから直接投資する場合、円をドルに替える為替手数料が必要なうえ、売買手数料も日本株に比べるとかなり割高となる。
ロボアドバイザー投資ならこれらのコストは運用手数料に含まれるので、少額の投資でも初期コストがかからないのもメリットだ。
日本の投信を投資対象とするサービスもある。投信はETFに比べると信託報酬は高めの傾向があるが、ロボアドバイザーでは投資対象を低コストのインデックス投信に限定しており、ETFに遜色ないラインナップをそろえている。
投資上級者にも魅力的 自動リバランス機能
ロボアドバイザー投資はアメリカで始まったサービスだ。日本では香港の金融グループ8リミテッド傘下のエイト証券が2015年に日本初となるロボアドバイザー投資「8 Now!(エイトナウ)」をリリースした。
16年に入ってお金のデザイン、ウェルスナビといったフィンテックベンチャーがサービスを開始し、楽天証券やマネックスグループも参入した。
一般的な分散投資は日本株、日本債券、外国株、外国債券の4資産を均等に持つのが基本の配分とされるが、ロボアドバイザーではその人の投資期間や運用額、リスク許容度などを複数の質問の回答から総合的に判断し、4資産以外の資産クラスも組み入れ、よりきめ細かい資産配分を提示する。
そのポートフォリオに納得すれば、投資一任契約を結んで入金し、自動運用がスタートする仕組みだ。
こうした仕組みは特に投資初心者にとってメリットが大きいが、定期的に資産配分を調整する「自動リバランス」機能は中上級者にとっても魅力的だ。