中国自動車産業が圧倒的な生産能力を有しているということは、裾野の素材、部品メーカーもそれだけ規模が大きいことを意味する。規模の経済が働く上に、自由競争が生み出す過当競争が更にイノベーションを加速させる。
新エネルギー自動車は今後、通信、AIなど総合技術の詰まった自動運転システムの発展を誘発し、そこに結び付く最先端技術をも、大きく発展させる可能性がある。日本の自動車産業も、電器産業がたどった衰退の歴史を後追いしないためには、ここが正念場はないか。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。楽天証券で「招財進宝!巨大市場をつかめ!今月の中国株5選」を連載するほか、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。