同時に、こんな懸念も頭をもたげてくる。
「私は章男氏が会長就任後も人事権を握ると思います。今のトヨタは若手から幹部まで従順な社員が多く、それが強みでもあった。佐藤氏が章男氏の思惑通りに動かなければ、首をすげ替えられることもあり得るでしょう。そもそも技術畑の佐藤氏の財務や人事などの力量は未知数。サラリーマン社長の彼が章男氏のように前面に出れば、社内の不満分子が現われる懸念もあります」(同前)
佐藤氏は、章男氏の長男・大輔氏(34)の社長就任までの“つなぎ”との見方もある。福田氏が言う。
「実際、章男氏が社長になる前も3人のサラリーマン社長がつなぎました。社長のバトンを章男氏の長男まで上手く引き継げるかが、トヨタの一番の課題とも言えます」
※週刊ポスト2023年2月24日号