華やかなイメージのあるプロゴルファーだが、大会賞金の獲得だけで食べていける選手はごく僅かだ。下位ランキングの選手は大会に出場するだけで赤字の場合もある。また賞金額の格差だけでなく、男女プロの格差も大きくなりつつあるのだとか。あらゆる仕事・業界の“マネー格差”について徹底調査した話題の新刊『マネー格差の天国と地獄』(ニューノーマル研究会・編)から、ゴルフ界に存在する様々な格差をレポートする。
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テレビで放映されるような大会に出場して賞金を稼ぐプロゴルファーは、「ツアープロ」と呼ばれる。ツアープロの資格を取るには難関のプロテストをパスしなければならない。男子ツアープロの場合、その合格率は5%前後。また受験するには約100万円の費用が必要だ。石川遼や松山英樹、宮里藍のように、アマチュアがプロの大会で優勝すれば、特例としてプロテストの実技を免除されるパターンもある。結局、圧倒的なゴルフの技術か経済的余裕がなければ、プロゴルファーとしてコースに立つことすらままならないわけだ。
では厳しいテストを突破すれば華やかなゴルファー生活が待っているのだろうか。もちろん、ゴルフの腕一本でリッチな生活を送る選手もいる。
2021年、松山英樹選手が世界4大ゴルフトーナメント大会の1つ、マスターズで優勝した。このとき松山選手は優勝賞金として、約2億2700万円を手にしている。さらにマスターズを制覇した日本人選手第一号として多くの企業からスポンサー契約の申し込みが殺到した。
一方で、国内の男子ゴルファーはどうか。2022年の賞金ランキングのデータを見ていくと、男子プロで賞金総額が1億円を超えている選手は2人しかいない。このラインに乗れる選手はスポンサー契約などの別収入もあるため、飛行機のファーストクラスで世界ツアーに参戦といった優雅な生活も可能になってくる。