人口が多すぎるがゆえに一括りにされがちな東京だが、やはり街によって特徴はある。港区に生まれ、渋谷区で30年以上過ごしたTさん(40代/男性)は、学校も仕事場もずっと都心部の生活だったが、数年前に足立区に引っ越すと、同じ東京ながらその違いに驚くことばかりだったという。いったい、どんな点が驚きだったのだろうか。ライターの金子則男氏が話を聞いた。
【1】まったく坂がない
「都心に住んでいた時も自転車には乗っていましたが、坂が多いので、大きな荷物があると大変。とりわけ六本木や麻布方面はどこも坂だらけで、自転車がちっとも有効ではありませんでした。しかし、足立区はどこまで行っても真っ平なので、自転車の移動がとにかくラク。子供を後ろに乗せても楽勝です」(Tさん。以下同)
足立区は標高が低く、ゼロメートル地帯の場所もあって、標高がマイナスの駅も存在するほど。区内で一番高い場所は舎人公園にある小高い丘ですが、標高は20m程度です。
【2】区内の移動が面倒
「我が家は足立区の西寄りにあり、諸々の手続きで区役所に何度か行きましたが、これが超面倒。公共交通機関を使ったら、家から区役所まで小一時間掛かります」
鉄道路線図を眺めると、足立区はタテ移動は充実していますが、ヨコ移動が皆無。頼りはバスになります。足立区役所は足立区の中心に近い場所にありますが、東武伊勢崎線沿線以外の足立区民は行きにくいかも。最寄り駅から遠い(梅島駅から徒歩12分)のもネックです。
【3】道が複雑
「区内をよく散歩しますが、環七(環状七号線)と荒川に挟まれたゾーンは道が猛烈に複雑。90度に交差する交差点がほとんどなく、行き止まりだったり、拡幅工事の最中で通行止めになっていたり……何回歩いても目的地に最短距離で行けません」
確かに東武伊勢崎線と舎人ライナーに挟まれた荒川沿いの一帯は、地図で眺めるだけでもその複雑さがわかる。世田谷付近はタクシー運転手泣かせで有名ですが、このあたりも負けていません。