川辺謙一 鉄道の科学

電車はどうして曲がれるのか? “内側と外側の長さの差”に対応する、自動車とは異なる「しくみ」

カーブしたレールの上を走行する電車

カーブしたレールの上を走行する電車

 鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人々の知的好奇心を刺激してくれる。交通技術ライターの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第12回は「電車がカーブを曲がれる理由」について。

 * * *

電車と自動車の大きなちがい

「電車は自動車と同じ『車両』だから、カーブが曲がれるのは当然ではないか?」そう思っている方はいらっしゃいませんか? たしかに電車は、自動車と同様に車輪がついた「車両」なので、そう思う方がいても不思議ではありません。

 しかし、カーブを走行するしくみは、電車と自動車で大きく異なります。

 自動車は、カーブに差しかかると、外側の車輪が内側の車輪よりも速く回転します。カーブでは、外側の車輪が内側の車輪よりも長い距離を走行するからです。

 いっぽう電車は、カーブに差しかかると、外側と内側の車輪が同じ回転速度で回ります。カーブでは、車輪が転がる左右のレールの長さに差ができるにもかかわらず、です。

 それではなぜ、電車はカーブを通過することができるのでしょうか。左右のレールの長さの差をどのようにして対応しているのでしょうか。今回はその秘密に迫ってみましょう。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。