7月場所は3人の関脇が大関昇進を目指し、12勝3敗で優勝した豊昇龍が昇進を果たした。角界を舞台にしたドラマ『サンクチュアリ』(Netflix)では「土俵にはカネが埋まっている」という言葉が登場したが、白星を重ねて昇進を果たすと、どれほどの収入を手にできるのか。
初日から貴景勝、霧島の両大関が休場し、新大関の霧島が4日目から土俵に戻ったものの、入れ替わるように横綱・照ノ富士が途中休場。7月場所は豊昇龍、大栄翔、若元春という3関脇の大関昇進がかかっていたが、その“壁”となる上位陣が不在となった。
「照ノ富士、貴景勝はもちろん、途中出場した霧島も黒星を重ねてケガの状態が心配されます。横綱や大関が不在ですから、本来、3関脇の昇進には勝ち星だけでなく相撲内容も求められるはずだが、大関が空席になる事態も想定されるなか、むしろハードルは下がるような状況だった。ただ、大栄翔と若元春はそのなかでも9勝6敗に終わり、昇進は豊昇龍ひとりとなった」(若手親方)
協会の看板力士である大関となれば、収入も大きく変わる。強くなるほど多くのカネを手にできる仕組みがあるからだ。
表組みでは、幕内力士の年収を概算で示した。総じて上位の額が大きいが、必ずしも番付順ではない。複雑なシステムがあるからだ──。
そもそも大相撲の世界では幕下以下の力士に給料がない。衣食住は部屋で面倒を見てもらえるが、本人が受け取るのは場所手当(序ノ口で年約46万円)や巡業手当くらい。
それが関取になると十両が月給110万円、平幕が月給140万円、関脇・小結が月給180万円と跳ね上がる。大関は月給250万円、横綱は月給300万円だ。
「幕下以下か十両以上かで天と地ほど差があります。一方、横綱と大関は別格とはいえ、それ以下は番付1枚ごとに細かい給料の差はない。関脇と小結は同じで、平幕は幕尻であろうが、横綱とも対戦する前頭上位であろうが変わらない」(同前)