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大学の「保護者面談」の実態 就職活動からプライベートまで、教員たちを悩ませる“過保護すぎる”相談の数々

「大学生のわが子」が気になる親も少なくないという…(イメージ)

「大学生のわが子」が気になる親も少なくないという…(イメージ)

 保護者会や三者面談といえば高校までのもの──そんなイメージを持つ人もいるかもしれないが、最近では大学でも保護者懇親会や保護者面談を導入する学校が増えている。学生のキャンパスライフや学業成績、就職事情など、保護者と大学教員が話し合う機会を設け、大学組織と保護者のあいだの風通しをよくする試みだ。この動きは大学のレベルにかかわらず広がっており、いわゆる「Fラン大学」だけでなく、都内の名門私立大学でも保護者面談を導入しているところは珍しくない。

 そもそも高校までとは異なり、大学ではゼミの指導教員でない限り、学生と深い人間関係を築く機会がほとんどない。一部の私立大学では「担任」の制度を採用しているところもあるが、それはあくまでも便宜的なもの。ハラスメント意識が高まっている昨今、学生のプライベートになるべく踏み込まないよう、教員側も気を遣っているのが現実だ。

 つまり、大学における学生と教員の関係は、高校までと比べ圧倒的に希薄である。そんな中で保護者面談を実施すると、とても大学生の保護者とは思えない“過保護すぎる”相談が寄せられることもあるという。その実態について私立大学で勤務する大学教員たちに話を聞いた。

公務員になれるような履修を組んであげて

 中部地方の私立大学の准教授・Aさんは、保護者面談で相談される内容の傾向について、次のように語る。

「最近の面談で一番多い相談が、お子さんの就職活動についてです。そもそも大学は、教育・研究をするところであり、学生を就職させるための機関ではないのですが、『就職予備校』などと揶揄されることもしばしば……。とくに中堅以下の私立大学は卒業者の就職率が低いところも多く、この数字が下がると受験者数の減少にもつながります。そうした背景もあって、保護者からの就職関連の問い合わせにも親身にならざるを得ない現実があります。

 しかし、なかには『うちの子は公務員にさせたいので、公務員になれるような履修を組んであげてください』『金融系の企業で働かせたい。就活の際に使えるような情報を授業に絡めて、やる気を出させてほしい』といった無茶なお願いもあります。大学になったら履修登録や進路選択は自分で行うものですが、そこまで大学教員に依存する親子もいるんです」

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