2014年の日本株は、一本調子で上がり続けるわかりやすい相場ではなかった。そうした中で、億単位の利益を出している凄腕のトレーダーたちがいる。彼らはいったいどんなトレードで、この相場を乗り切ってきたのだろうか。
ここでは、選りすぐりの勝ち組トレーダー3人が実体験告白。この1年の自身のトレードを振り返りながら、相場で勝ち残っていくための知恵を伝授する。2015年に彼らが狙う「勝負銘柄」は何か?
年前半の1億円超のマイナスから巻き返し!
元手3000万円から2億円を達成!追加緩和時の銀行株取引も大成功
2014年は一言で「勉強になった年」でした。年前半に負けて学んだことや、5月以降、運用資金3000万円からリスタートして2億円を達成できたことなどから、大きな学びがありました。
僕の投資手法は、数秒から数分単位で利幅を狙うスキャルピングやデイトレードがメインです。14年の年初の段階では、そんなによい相場にならないだろうと思っていたので、自分の中の10%とか20%くらいの力で生活費を稼ぐことができるのかをやってみたかった。それが可能ならこれから先、プライベートに傾けたライフスタイルでも生活できると考えたからです。
それで1月下旬くらいからやってみたのですが、驚くほど負ける……。結局、10%の力でやったからといって、今までの10%だけ勝てるわけじゃないことを痛感したんです。やらないならゼロ、やるなら100%じゃないと勝てないとわかりました。これが14年前半に学んだことの一つですね。
ちなみに、うすうす感じていたものの怖くて計算していなかったのですが、1億円以上負けていました……。半年近く負け続けたのを、あと半年で取り返そうと思ったらドツボにはまるし、「これは諦めよう」と割り切ったのが、5月からの成功につながった面もあると思います。
僕のトレードはスキャルピングですから、ポジションを持ってもすぐに逃げられる金額が1億円、信用取引なら3000万円くらいかな、と考えました。5月からは、元手3000万円を全力でやって1日当たり10万円、月200万円を稼ぐことを目標としました。本気でやって、もしこれで負けるようだったら本当に引退する覚悟の、背水の陣の気持ちでした。
それでも最初の2週間くらいは、勝ったり負けたり。元手3000万円でやるのと、以前のように1億円でやるのとではエントリーのタイミングやロットも違いますから。ただ、徐々に慣れてきて、利益が出たら半分出金してリスクを制限しつつ、リターンもちょっとずつ増やすスタンスで56日目に1億円、111日目に2億円を達成することができました。年前半の負けを取り返すこともできて出来過ぎだと思います。これだけリスクを絞っても勝てる可能性があることを学んだのは、すごく大きいですね。
自分でいうのもなんですが、成長できたなと思えたトレードが、10月31日のサプライズ追加金融緩和の日でした。最近ではミクシィやオンコセラピー・サイエンス、ラオックスなどを売買することが多かったのですが、追加金融緩和と聞いて、真っ先に不動産か銀行が動くと思いました。そこで、普段は絶対に触らないみずほフィナンシャルグループを198円くらいで合計80万株ほど買い、週明けに利益確定して650万円の利益を出せました。
今回の追加金融緩和以降、これからも主力銘柄に資金が流れやすい状況が続くと思います。銀行ならメガバンク、金融ならアイフル、不動産ならケネディクスなどに注目しています。とはいえ、板の厚みや動く銘柄を狙っていきたいですね。