物価高や増税など家計の危機が続くなか、自らの暮らしをどう守るか。そこで選択肢となるのが「投資」だ。初心者でも始めやすいのが「投資信託」だ。
投資家から集めた資金を運用の専門家がまとめて株式や債券などに分散投資していく商品である。ファイナンシャルプランナー・深野康彦氏が解説する。
「投資信託が初心者向きと言える理由としてはまず、少額から買えることが挙げられます。1万円から始められると喧伝されてきましたが、今はネット証券を利用すれば100円とか500円から買えるところもある。限られた資金のなかで分散投資がしやすいし、毎月決まった額を買っていく積立投資のスタイルも取りやすい。銘柄によっては数十万円の原資が必要になる個別株投資に比べて始めやすいと言えるでしょう」
一方で、特定の企業に投資する個別株と違って、“どう選べばいいか”がわかりにくく感じられるところもある。深野氏は「まさにそこが投資信託選びの重要なポイントの一つです」と続ける。
「投資信託には様々な種類がありますが、まずは“商品の説明がわかりやすいもの”を選ぶといいでしょう。たとえば、“日本株で運用する”とか“米国株で運用する”、あるいは“米国のNYダウ平均株価に連動する”といったシンプルなものが推奨されます。デリバティブ(金融派生商品)取引に類するもの、通貨選択型など、説明を聞いて難しいと感じるような投資信託は、仕組みが複雑なぶん保有に際してのコストが高いといったデメリットを伴うことが多いです」(深野氏)