一時はマジックが消滅した阪神タイガースだが、9月1日にマジック18が再点灯した後は順調にその数字を減らしている。2005年以来、18年ぶりの優勝となれば関西は大いに盛り上がり、大きな経済効果も期待されている。その一方、岡田彰布監督が前回、阪神監督を離れるきっかけとなった2008年のV逸のような悲劇が繰り返されると、様々な“皮算用”に冷や水を浴びせかねない。阪神の成績が、ナニワの景気動向さえ左右することになるかもしれない。
2003年に星野仙一監督のもとで阪神がリーグ優勝を果たした際も、「18年ぶりV」だったが、当時の優勝の経済効果について、関西大学大学院教授の宮本勝浩氏は1481億円と試算した。宮本氏はこう話す。
「星野阪神の優勝時の経済効果は異常なほど高水準の数字となりました。通常、500億円を超える経済効果があると、社会的影響力が大きいスポーツイベントということになりますが、その3倍近い規模ですからね。2005年に岡田阪神が優勝した時は643億円でした。今年は、前回を100億円程度上回る700億円超の経済効果があると予想しています」
2003年の当時は「闘将」と呼ばれた星野監督の人気が凄まじかったわけだが、今年の岡田監督も注目度は高い。甲子園球場前の公式ショップ「ALPS」「DUGOUT」には、数百点のタイガースグッズが並んでいる。販売員はこう話した。
「売れているのは近本(光司)選手、森下(翔太)選手、中野(拓夢)選手の順ですかね。あと人気があるのが岡田(彰布)監督のグッズですね。特にチームスローガンの“アレ”関連が売れています」
「ALPS」は全支配下登録選手のレプリカユニフォーム(8000円)が揃う唯一のショップだが、大山悠輔や森下とともに岡田監督の在庫が少なくなっている。公式オンラインショップで受注生産されている「そら〇〇よフェイスタオル」(1800円)も爆発的に売れているのだという。