18年ぶり6回目のセ・リーグ優勝を果たした阪神タイガース。9月14日に甲子園球場で行われた優勝決定の巨人戦は、兵庫県・大阪府・京都府の一部などで視聴できるサンテレビで放送されたが、地上波での全国ネットの放送はなし。優勝の瞬間をリアルタイムで見られなかった阪神ファンも案外いたのではないだろうか。
一方で、14日の阪神戦を生中継したCS放送のGAORAには、前日と当日だけで1500件以上の加入者があったと報じられている。また、阪神の公式配信チャンネル『虎テレ』は、14日の試合中にアクセスが集中して一時繋がりにくい状況となり、SNSでは阪神ファンの悲鳴が数多く投稿された。GAORAも虎テレも有料サービスで、この歴史的瞬間のために“課金”に踏み切ったファンも多かったようだ。
かつてスポーツ中継と言えば、地上波テレビの重要なコンテンツだった。しかし、視聴者の趣向が多様化するとともに、国際大会などでは放映権料の高騰の影響もあり、最近ではCSなどの有料専門チャンネルや、DAZN、SPOTV NOWなどの有料ネット配信チャンネルで中継されるケースが増えている。
スポーツ中継が視聴率を取れなくなっているなか、有料サービスに移行していくのは自然な流れではあるが、気軽に試合を楽しめなくなったことに対する嘆きの声も少なくない。
都内に住む会社員・Aさん(40代男性)はこう話す。
「サッカー日本代表の試合や野球のWBCの試合などは地上波で見られますが、通常のJリーグやプロ野球はほとんど見られない。スポーツニュースの時間も昔に比べると少なくなっていて、比例して僕も年々プロスポーツに疎くなっています。かといって、これまでタダで見られていたものに、高いお金を払うのも少し抵抗があって……」