日本では、米トランプ大統領の誕生に伴い、米中の経済摩擦が激化するのではないかと懸念する投資家が依然として多いようだ。しかし、アメリカが具体的にできることは少ないのではなかろうか?
基本的な貿易データを確認しておくと、2016年1~10月までのアメリカから見た輸入国トップは中国で輸入シェアは21.0%に達している。第2位はメキシコで13.5%、第3位はカナダで12.7%、日本は第4位で6.0%である。
アメリカの隣国であり北米自由貿易協定を結ぶメキシコやカナダよりも、中国からの輸入の方が多いのが現状だ。輸入品は、雑貨、衣料品から家電製品、スマートフォンに至るまで多様である。中国製品はアメリカ人の生活の中に深く入り込んでいる。
たとえば、中国製品に対して、高関税をかけたとすれば、輸入物価全体を押し上げてしまう。他国からの輸入代替が進むだろうが、時間がかかる。輸入物価の上昇は国内物価の上昇を引き起こし、金利の上昇につながってしまう。