大谷をめぐる“史上最大の争奪戦”が佳境を迎えている。その契約は10年総額6億ドル(約900億円)規模とみられ、実現すれば北米4大スポーツ史上最高額となる。個人の年俸だけでなく、大谷がもたらす経済効果も計り知れない。関西大学名誉教授の宮本勝浩氏の試算によると、大谷が来季、エンゼルスに残留した場合は約500億円、有力視されるロサンゼルス・ドジャースに移籍すれば約640億円の経済効果が見込めるという。
「大谷選手の経済効果とは、彼によって生み出されるお金の動きのことです。大谷選手が手にする年俸やスポンサー収入のほかに、ファンが払う球場のチケット代やグッズ代、そしてテレビ局の放映権料など、様々なお金の流れを含んでいます。その額は年々増加しており、人気球団のドジャースに移籍すればさらに伸びるでしょう」
宮本氏の試算によれば、大谷が生んだ経済効果はア・リーグMVPを初めて獲得した2021年に約240億円、2022年に約457億円、2023年に約504億円と推移してきた。2024年の予測を加えると、合計で約1700億~1840億円という驚異的な金額となる。その大谷が移籍するとなれば、もたらされる経済的なインパクトは、並みの企業の本社移転よりもよほど大きいと言えるだろう。
一人で巨大企業に匹敵する額を動かす“株式会社・大谷翔平”の収支はどうなっているのか。気になるのは巨額収入の行方だが、野球一筋の大谷からは“使い途”がなかなか見えてこない。日本全国のすべての小学校に6万個のグラブを寄贈したことは記憶に新しいが、それにしてもグラブ1個1万円で換算して計6億円程度に過ぎず、大谷の年俸にすら遠く及ばない。スポーツ紙記者はこう言う。
「過去に目立った買い物と言えば、2018年春に都心タワマン最上階を2億5000万円とされるキャッシュで購入した程度です。大谷選手の資産の行方については、情報がかなり少ない」