12月に入り、オフショア人民元対ドルレートは本土と比べ、元安方向に振れていた。特に年末年始は、テクニカルにみて大きな節目となる1ドル=7.00元を突破できるかどうかの瀬戸際まで人民元が安くなっていた(数字が大きければ元安)。
しかし、本土の基準値は6.95元からは動かず、日中取引でもオフショア人民元に連れ安することはなかった。
こうした状況で、1月4日アジア時間早朝、FOMCの議事録が発表された。そこには、「トランプ次期政権はインフラ投資の拡大、減税、規制緩和などを実施する考えを示しており、景気が上振れする可能性が高い」と記されていた。利上げペースは遅くなるといった見通しからドル高見通しの修正を迫られた。
一方、オフショア人民元市場では、1年以上にわたり、人民元の供給が少なくなっている。人民元は企業活動に使われる部分が大きく、市場参加者は人民元売りのための資金をインターバンク市場から調達せざるを得ない状況となっていた。
香港、本土間で人民元のやり取りができないわけではない。ただし、長期資金はともかく、短期資金については監督管理が厳しく、簡単には資金移動ができない仕組みとなっている。
オーバーナイト物のオフショア人民元・香港銀行間取引金利の推移をみると、12月は10%を超えたのは4日しかなかったが、3日には一旦17.76%まで上昇、1日置いて5日には38.34%、6日には61.33%まで暴騰している。