投資情報会社・フィスコが、株式市場の年末年始の動きを振り返りつつ、1月9日~1月12日の相場見通しを解説する。
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年末年始(12月25日-1月5日)の日経平均は週間で208.37円高(+0.63%)の33377.42円と続伸した。年末にかけては、米国株式市場でインテルなど半導体株が上昇し、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が強い動きを見せたことから、東エレクやアドバンテストなど半導体関連が日経平均をけん引。12月27日には一時33755.75円と取引時間ベースの年初来高値(33853.46円)に迫る動きが見られた。その後は、12月期決算企業などの権利落ちなどが影響して下げたものの、大納会は33464.17円と1989年(38915.87円)以来、34年ぶりの高値で2023年の取引を終えた。日経平均は年間ベースで7369円上昇、1989年以来の大きさとなった。
大発会は、1月1日に発生した能登半島地震や、米アップル下落、弱いナスダック総合指数などが影響して、売り優勢のスタートとなったが、為替市場では1ドル144円と円安ドル高が進行。トヨタやホンダなど自動車株が強かったことや、新しい少額投資非課税制度(NISA)スタートで個人投資家の買いが、銀行株など高配当利回り銘柄に向かったという観測などから、日経平均は一段安を回避し、長い下影(下ヒゲ)を残した。週末は米雇用統計などを見極めたいとするムードが強まり上値は重くなったが、日経平均は25日移動平均線を上回って取引を終えた。
今週のポイントは、米金利上昇に伴う円安進行が継続するかどうかだ。年末に1ドル140円割れ手前まで円高ドル安が進行したが、能登半島地震を受けて、1月の日本銀行金融政策決定会合では、経済への影響を考慮して金融政策の正常化は先送りするとの観測が強まった。また、足元の米労働市場の堅調さが確認できたことなどから米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測も後退。米10年国債利回りが4%台を回復し、10年物国債の日米金利差が3.4%水準まで再び拡大したことから、為替市場では1ドル145円台まで円安ドル高が進んでいる。