ライフステージとともに見直したい「生命保険」。さまざまなタイプのものがあるが、なかでもメジャーなのが、「死亡保障」が受け取れるタイプだ。
5年、10年など一定期間の更新のたびに保険料が上がる掛け捨ての定期保険、積立型の終身保険、亡くなった後に毎月一定額が家族に支払われる収入保障保険などがある。なかでも定期保険は契約更新のたびに料金が上がるため、「いつまで続けるべきか」と悩む人も多い。
その解約を考える際には、残される家族に必要な資金である「必要保障額」の再試算が必須だ。必要保障額を上回る死亡保険金については、解約したほうが保険料のムダを抑えることができる。ファイナンシャルプランナー(FP)で家計コンサルタントの八ツ井慶子氏が言う。
「必要保障額は、その時点の家族の必要資金(生活費、住居費、教育費など)の総額から預貯金や遺族年金などの収入を引くことで計算できます。ライフステージごとに変わり、年齢とともに少なくなるのが一般的ですが、その減り方は一直線ではありません」(以下、「」内コメントは八ツ井氏)
死亡保障の「やめ時」「削り時」は子供の有無、持ち家か否かなど状況によるわけだ。
結婚後、27歳で子供が生まれ、3000万円の定期保険(契約時の保険料は月額3000円程度)に加入したBさん(妻・子ひとり)のケースで検討してみる。
「まず必要保障額がガクッと減るのは、住宅を購入した33歳の時点。住宅ローンの借り入れ時に『団体信用生命保険(団信)』に加入すれば、亡くなった時はローンの支払いが不要になります。そこで必要保障額が500万~1000万円程度減る傾向があります。保険金を減らせば、月額保険料の負担も軽くなります」