企業概要
オオバ(9765)は、まちづくりや土木・都市基盤整備の総合建設コンサルタント。
「まちづくりのソリューション企業」を標榜し、上流工程(調査・計画)から、下流工程(設計・施工管理・事業完了)に至るまでトータルで建設ソリューションを提供しています。
同社の創業は1922年(大正11年)。2022年(2023年3月期)に創業100周年を迎えた老舗企業です。創業者が旧鉄道省(現国土交通省)に勤めた人で、鉄道敷設や橋梁建設で培った測量設計技術を核に土木測量事業をスタートしたのが同社の始まりです。
事業は昭和の私鉄開通とその沿線の大規模分譲地開発に伴う宅地造成事業、それに続く私鉄延伸の動きを背景とした測量業務や駅前開発、また高度経済成長期には航空測量やゴルフ場開発、区画整理事業とさらに事業を拡大し、一つの大きな波に乗るように成長を遂げました。
現在では、調査測量から計画、設計、許認可取得、施工管理までを手掛ける総合建設コンサルタントとして、年間約160億円の売上をあげています。
同社の事業は、土地の現状確認や測量からボーリング調査、土地利害関係者のとりまとめ、また草刈りなどの代行サービスやインフラの維持管理サービスまで幅広い領域に渡るサービスを提供しています。
注目ポイント
同社が展開する事業セグメントは、都市計画や区画整理等を提供する「まちづくり(2023年5月期売上高構成比39%)」、道路・橋梁・上下水道等の設計を行う「設計(29%)」、測量調査の「地理空間情報(22%)」、環境調査などの「環境(4%)」、オーダーメード型開発などを提供する「事業ソリューション(6%)」の5つで構成されます。
まちづくりは同社が得意とする分野で同社最大の売上を誇ります。近年は、防災・減災・国土強靭化対応に加え、国土交通省や防衛省などの需要が伸びているほか、大規模区画整理案件なども売上に寄与しています。また民間では製造業国内回帰の流れや海外資本による産業用地開発の活発化、また再生エネルギー案件の増加も追い風となっています。
同社の事業構造は、まちづくり業務を中心に、測量業務や環境調査といった売上が立ち、さらにまちづくり、設計、地理空間、環境の4つのセグメントによる総合力を使って、事業ソリューションを提供している形となります。
事業ソリューションは例えば、被災住民による集団移転先宅地の開発代行業務、不動産売却+相続コンサルの相続おまかせWサポート、宮城県遊休屋根貸ソーラー発電事業などがあります。いずれも総合力と建設コンサルタントならではの不動産コンサルティングとなっており、同社の総合力が表れたセグメントと言えます。
【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。