年金受給額が減ってきているなか、老後資金の捻出手段として人気があるのが「毎月分配型投信」だ。その理由は年金に加えて、毎月決まった分配金を得られるからだが、三菱アセット・ブレインズの調べによれば、2016年はこのタイプの投資信託の3分の1が減配した(1400本中463本)。保有する毎月分配型投信を、手放すか否か。その判断基準となるポイントを紹介する。
「基準価額5000円割れ」は注意せよ
投資信託一口あたりの値段を基準価額という。投資信託は基本的に1万円から運用を開始するので、ここでは基準価額1万円のファンドを想定する。
「基準価額は毎営業日ごとに変動します。仮に1万円で買った後に、基準価額が5000円を割り込んだら、無理な分配の結果と判断できます。2000~3000円まで割り込むと元本が相当分取り崩されて、1万円に戻すことは不可能に近いでしょう。トランプ相場のようなサプライズで奇跡的に値が戻ることもありますが、基本的にはそのまま下落して破綻に近い状態になる可能性がある」(楽天証券経済研究所のファンドアナリスト・篠田尚子氏)